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生理開始前あるいは生理中、生理が終わっても続く様々な程度の生理痛は女性の悩みの種です。ひどい場合は脂汗を流してうずくまってしまうほどで、欠勤を余儀なくされることもあります。中医学ではそれぞれ場合に適切な弁証(診断)を行って、効果的な治療が可能です。中医婦人科の最も得意とする分野です。病型として、気滞が原因の瘀血タイプ、寒邪が子宮骨盤腔に侵入するタイプ、さらに陽虚、或いは寒邪に瘀血を伴うタイプ、湿熱が衝任脈子宮に注ぐタイプ、気血両虚タイプ、肝腎虚損タイプなど細かに弁証していきます。

激しい生理痛 精神不安定などが消失した34歳C子さんの例
C子さんは、結婚5年で離婚、証券会社に就職して、仕事に励んでいましたが、半年ぐらい前から下腹部に引っ張られるような痛みがあり、特に生理中に痛みがひどく、寝込んでしまうほどになり、母親に当り散らすなど精神不安定になることもあり、病院婦人科を受診しました。はっきりした原因が不明で、子宮内膜症の可能性があるので偽妊娠ホルモン療法を薦められたのですが、ホルモン療法を好まず、心療内科を受診。安定剤を処方されましたが、症状の改善が無いために、お母様と一緒に来院され、漢方相談となりました。最近は生理の周期が短くなってきたということでした(月経先期)。加えて仕事関係でのストレスがたまり不眠気味、食欲も減退、軟便傾向も出現、生理に血塊が混じるとのことでした。舌質はやや紅、舌辺に瘀斑があり、舌苔は薄白苔、脈象は弦有力でした。時々陰部に痒みが出現し、市販の女性用軟膏を使用しているとのことでした。かなり複雑な症状でしたが、中医学的に弁証を進めました。
さて、生理と関係があり骨盤腔や陰部子宮を通るのは“肝経”という経絡です。
この経絡を流れ通る「肝気」が鬱滞(肝気鬱結)すると生理痛や月経周期の異常が起こります。肝気鬱結は精神的なストレスなどが原因となって起こる場合もあり、さらに肝気鬱結そのものがさらに精神不安定を引き起こすという、悪循環も認められます。また鬱結した肝気が胃気を損傷(肝胃不和)すると食欲が無くなります。ひどい場合には肝鬱脾虚といって下痢などの症状が出現します。
肝気鬱結が長期化すると「化火」といって熱に変化(肝鬱化火)し、月経量が増え(過多月経)月経周期も短くなります。また肝気鬱結は気滞による疎泄低下から瘀血を生じることとなり、生理に血塊が混じるようにもなります。このような理由から肝鬱血淤脾虚証と弁証、疏肝補脾を原則に柴胡疏肝散(さいこそがんさん)にて治療開始しましたが、1ヵ月後、症状の改善が3分の1程度で思わしくないために、膈下逐瘀湯(かっかちくおとう)を合方し、炒白术を加味したところ、1ヶ月で諸症状の大半は半分以下となり、さらに一ヵ月後にはほとんど無症状となりました。
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