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中医学では「腰は腎の外部である」といい、腰痛と腎の働きを特に重要視します。腎虚の典型的な証として、腰酸痛(腰がだるくて痛い)膝軟(膝から下に力が入りにくい。下肢がだるい。)耳鳴、難聴、記憶減退などがあげられます。その他に瘀血(おけつ)、寒湿、湿熱などの病邪が腰痛の原因です。
刺で刺されるような痛みを伴う坐骨神経痛や変形性腰椎症などは瘀血が原因です。寒い時期や梅雨の時期に悪化する腰痛は寒湿が原因です。絞りこむような痛みとして感じる場合は湿熱が原因である場合が多く、結石などによる痛みも中医学では湿熱の範疇に属します。
過度のセックスや睡眠不足は特に腎陰を損ない、腎陰虚をもたらします。加齢や、過度の労働は腎陽を消耗させ腎陽虚による腰痛を引き起こします。寒湿や湿熱が原因の場合は、甘姜苓术湯、当帰四逆加吴茱萸生姜湯に苓姜术甘湯を加減したものが有効です。湿熱が原因の場合は、四妙丸や通導散などに竜胆潟肝湯などを加味して服用します。瘀血が原因の場合は、身痛逐瘀湯が特に有効です。その他、疎経活血湯に田三七粉などを加味しても効果的です。腎虚に伴う腰痛では、腰部の冷えや夜間頻尿を伴う腎陽虚タイプでは右帰丸、海馬腎気丸、牛車腎気丸などが特に有効です。
腰痛は、腰だけの単純な症状ではありません。腰痛はいろいろな疾患を弁証する際に腎虚の関与があるかどうかの重要な情報をもたらします。例えば、慢性の咳、気管支喘息、脱毛、眩暈(めまい)、男性不妊症、生理痛、生理不順、おりもの(帯下)、更年期障害、不妊症、のぼせ、眼精疲労などを治療する際に、補腎(補腎陰あるいは補腎陽)の必要性があるかどうかの判断基準のひとつになります。また各種癌の骨転移による腰痛も見逃せないところです。腰椎ヘルニア、腰椎すべり症、腰椎分離症、変形性腰椎症などと診断されている場合でも、一応は他の内臓疾患の有無を調べるべきです。
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