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その他線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
40~50才代で女性に多い疾患です。原因不明の全身の筋肉痛があり、針で刺されるような激しい痛みを主症とします。全身の疲労感、睡眠障害を合併することがあります。また過敏性大腸症候群などの合併も報告されています。肩、腕、背中のこわばりと痛みが約70~80%に認められます。寒冷の気候や神経的ストレスによって症状が悪化します。頭痛を伴う頻度も高く、生理不順などを伴うこともあります。慢性化することが多く、仕事を続けられず、休職を余儀なくされる患者もみられます。知覚、腱反射、関節、筋肉などにほとんど異常を認めず、血液検査所見、X線検査でも異常を認めません。 線維筋痛症(Fibromyalgia)の中国漢方治療の現状線維筋痛症は中国語で線維肌痛症あるいは肌筋膜痛総合症と呼ばれています。原因不明の全身の筋肉痛、関節痛、骨痛を主症状とする本病は、従来「痹症(ひしょう)」の一つとして中医学的に治療がなされてきたものです。ただし「線維筋痛症の疾患概念」は1990年代になって米国から中国へ移入されたものです。従って 中国国内では、「Fibromyalgia」として確定診断された症例数がまだ蓄積されていないことが現状です。
「※※止痛」は弁証結果(風、寒、湿、熱、気滞、瘀血)に対応し、具体的な治療法を応用します。※※部分には弁証により祛風 散寒 祛湿 清熱(清熱は少ない)理気 化淤の漢方治療原則が入り、それぞれの方薬が使用されます。痛みは「がん性疼痛」にも近いほどの激痛であることもあり、止痛の方法は「がんによる痛みの除去」にも共通する場合があります。止痛法の漢方生薬についてはホームページ内「腫瘤科とは」の中の「癌性疼痛の漢方治療」を参照ください。 中医学的な治療の目的現時点において線維筋痛症の単一的な治療方法は西洋医学、中医学でも発見されていません。従って「痛みを取り除く諸方法」を総合するものです。治療目的は
の3点である。 学説の一部には、原因不明のある化学物質が小さな血管を攣縮させ筋膜組織が酸欠になり、線維組織が増加していくという考えがあります。外傷が治らないままに放置された場合、出産などで疲労、出血などが過ぎた場合などに気血が消耗され、血は筋を濡養できなくなり、肝は筋(すじ)を司れなくなることが本病のメカニズムと考える中医がいます。生体の正気(広い意味で抵抗力)が虚せば邪気(ウイルスや寒さなどの物理的な生体を侵襲するもの)が乗じやすくなる。 正気の虚により体表の腠理(そうり)(毛穴)が開いてしまい外邪は生体に侵入します。その結果、気血が閉疽し、経絡の気血も不足し、脈絡の正常機能が失われます。痛みの原因を中医学では「不通即痛」と捉えます。「通りが妨げられると痛みが生じる」という考え方です。正常な気 あるいは血の流れに阻滞が生じると痛みが生じると考えます。
西洋医学的解釈に対する中医学的解釈1. 不安 睡眠障害 ストレス うつ などの関与西洋医学では三環系抗うつ剤を眠前に服用する方法が推奨されています。 2. 慢性疲労症候群の合併西洋医学的には背景に免疫力の低下、ウイルス感染、胃腸機能の低下が疑われています。 3. 過敏性胃腸障害を時に合併する。肝脾胃の臓腑学説から説明が可能と思われます。過敏性大腸症候群の漢方治療についてはホームページ内の過敏性大腸症候群を参照してください。 罹患人口が多い割には(日本で推定200万人)線維筋痛症への解析はまだ始まったばかりです。果たして「独立疾患」であるのかさえもはっきりしていません。治療は手探り状態なのが現状です。特徴的な検査所見を示さないのも「独立疾患」を疑わせる原因です。アメリカでは線維筋痛症(Fibromyalgia)の代替治療として中国医学療法が広く認められつつあります。今後、日本でも漢方治療が広まっていくものと考えられます。 |
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