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インポテンツを中医は「陽萎(ようい)」と呼びます。陽萎の治療は、個人の証にあわせ、様々な治療法があります。基本原則は滋補腎陰 温養活血です。近年は西洋薬のバイアグラ系、シアリス系の薬剤がありますが、基本原因(本虚)を無視した、一時的な陰茎充血による性行為は「赤字を垂れ流す会社」のようなものであり、いずれは「破産」つまり、生来の腎精を早く失ってしまうと中医は考えます。陽萎の治療には、漢方医学と西洋医学の長所を一緒にした、中西医結合医学が理想的です。西洋薬の勃起障害改善剤が開発される前から、何千年にもわたり、中国医学は陽萎に対して様々な治療経験を積んできました。中国医学の知恵を見直すべきでしょう。いわゆる強精剤や薬酒療法、薬膳、鍼灸療法など治療法は多彩ですが、ここでは漢方内服療法を紹介します。
腎精不足タイプ(特に腎陽虚タイプ)
腰や膝がだるい、陰部の冷えがある、寒がりで手足が冷える 耳鳴がする 精液が薄く量が少ないなどの特徴があります。海馬補腎丸や金匱腎気丸、至宝三鞭丸、男宝などが有名な中成薬です。紅景天、冬虫夏草、蔵川芎、雪鹿鞭、鹿茸、巴戟天、鹿尾巴、山茱萸、菟絲子、肉従蓉、蛤蚧、补骨脂などが配合されている「佛宝胶嚢」や鹿鞭回春カプセル(ろくべんかいしゅんカプセル)蛤蚧補腎胶嚢(ごうかいほじんカプセル)金鶏虎補丸(きんけいこほ丸)などは強力な性機能増進作用があります。補陽を主体とするこれらの薬剤は、同時に補陰剤としての六味地黄丸などを併用すれば、補陰補陽のバランスをとることが出来ます。特殊な製剤として古来より有名な五子衍宗丸(ごしえんそう丸)は、枸杞子 菟丝子 覆盆子 五味子 车前子を成分として補腎益精作用により、腰痛 下肢のだるさ 遺精 早漏 インポテンツのほかに男性不妊症にも効果があります。五子衍宗丸(ごしえんそう丸)は腎精不足タイプのうち腎陰不足タイプにも効果があります。
心脾両虚タイプ
動悸がする、夜よく眠れない、食欲が無い、顔色に艶が無い、下痢しやすいなどの特徴があります。抗萎霊(こういれい)や帰脾湯(きひとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などが有効です。
肝経湿熱下注タイプ
陰部の痒みがある、陰嚢に湿疹がある、陰嚢や睾丸の腫れがある 黄腻苔などの特徴があります。竜胆潟肝湯(りゅうたんしゃがんとう)が代表的な方剤です。
肝気鬱結タイプ
平素イライラしやすい、怒り易い性格である、ストレスが溜まりやすい、性交時に不安やあせりを感じる 不眠傾向があるなどの特徴があります。柴胡疏肝散(さいこそがんさん)を中心に、悪心などの症状があれば丹梔逍遥散(たんししょうようさん)などを使用します。
陰虚火旺タイプ
性欲はある、勃起はするが早漏気味である、寝汗をかく、紅舌少苔 脈細数などの特徴があります。潟火補腎丸(しゃっかほじんがん)、滋陰降火湯(じいんこうかとう)などに柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などを加味します。

遅漏、射精できない症状が潟火補腎丸加減で改善した24歳男性の場合
この男性の場合は、最大の問題は、勃起はするものの、いつまでたっても射精できないので、そのためにストレスを感じるということでした。オナニーをしても射精しなくなってきたと訴えていました。腰がだるく、頭皮が痒く、フケ症で脱毛しやすく、不眠傾向があり、口内炎が出来やすく、喉が渇くという症状があり、糖尿病を心配して内科を受診したところ、糖尿病の心配は無く、自律神経失調症といわれ、安定剤を処方されました。一向に射精障害が改善しないので、漢方相談となりました。舌は赤く、苔が少なく、典型的な陰虚の舌象でした。陰虚が原因の相対的な陽気過剰による「虚火」の証として、喉の乾燥感、フケ症や不眠も説明できます。漢方の世界では「陰虚火旺不射精症」と呼ばれている状態です。腎水(腎陰)を補い、虚火を清めることが大切です。六味地黄丸に知母 黄柏 酸棗仁 柏子仁 竜骨 牡蠣などを加味しました。オナニーを禁じて、性行為は週に1~2回にするように話しました。治療開始後2週間で正常に射精が出来るようになり、服薬は2ヵ月後に中止しましたが、再発はありません。
岡本康仁堂クリニックでは、ED(勃起障害)を含めて様々な男性性機能障害の無料相談を行っています。お気軽に一般診療用メールでお問い合わせください。相談人の個人情報は外部に漏れることはありません。
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